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株式会社設立

1 会社名(商号)を決める

1.1 会社名を考えるときに守らなければいけない4つの決まり事

以前は、会社名として使用可能な文字には、とても厳しい規制がありました。しかし、今では、登記法が改正されて、多彩な社名を作ることができるようになっています。それでも守らなければいけない最低限の決まり事はあります。

それが以下の4つです。

  1. 会社名のどこかに必ず「株式会社」という文字をいれる
    一般的には会社名の前から後ろにしますが、真ん中に入れても構いません。
  2. 記号やアルファベット、数字もつかえる
    記号は「&」「‘」「,」「-」「.」「・」を使うことができます。
  3. 「○○事業部」など会社の一部門を示す文字はつかえない
    例えば、銀行業でもないのに「銀行」という文字を使用したりするなど混乱をまねくような文字は法律上、使用が禁止されています。
  4. NTTなど実績のある有名企業の名前を使うことはできない
    上記と同じ理由で、見た人の誤認をまねくような会社名は詐欺に使用される怖れがあるため使うことはできません。

これらのルール内であれば、自由に会社名を決定して頂くことができます。しかし、最終的に会社名を決定するときは実際の営業や運営もスムーズになるようなものを選びたいですよね。そこで、最後にいくつか浮かんできた会社名のアイデアの中から、一番良いものを選ぶときの判断基準をご紹介したいと思います。

1.2 会社名を決める時の判断基準2つ

もし、あなたの会社の名前が、お客様にとって聞き取りにくかったり、発音しにくいものの場合、思わぬところで不利になってしまうこともあります。例えば、取引先に電話したときや名刺交換の時に、「○○株式会社の△△です。」と名乗って、何度も聞き直されるようだと、その後の話の流れもスムーズにいきません。

従って、もしあなたが、会社名を決めかねているとしたら、

  • 覚えやすいもの
  • 簡潔で発音しやすいもの

を選ぶことをオススメします。

2 事業目的を決める

2.1 事業目的とは?

株式会社を設立する時には、会社の基本原則を書きしるした「定款」を作成することになります。そして、定款には、あなたの会社の「事業目的(=あなたの会社は何をしてもうけようとする会社なのか?」を書く必要があります。

会社は、定款に書いている事業目的にない事業を行うことはできません。なぜなら、目的がしっかりと定められていないと株主が安心して出資をすることができなくなってしまうからです。そこで、会社設立時には、当面のあいだ行う事業だけでなく、あなたの会社が成長してきたら、将来的に行う可能性のある事業も書きましょう。

2.2 事業の目的を決めよう

現在の会社法では、かなり大ざっぱに、何個でも事業目的を記載できるようになっています。定款に記載する事業目的を決めておきましょう。

3 本店所在地を決める

3.1 本店所在地とは?

本店所在地とは、簡単に言うと本社の住所のことです。

これも、株式会社設立時の定款に記載しなければならない項目の一つです。一般的には自宅や、賃貸オフィス、レンタルオフィス、バーチャルオフィスを本店所在地に選ぶ方が多いです。

次に、本店所在地を決めるまえに注意して頂きたい事項と、本店所在地の書き方をご紹介します。

3.2 本店所在地を決める時に注意すべき2つのポイント

本店所在地となる住所や物件を決める場合、以下の2つのポイントに注意しておかなければ、最悪の場合、後になってオフィスの貸主から賃貸契約を解除される可能性がありますので、必ず確認しておきましょう。

会社の住所を決める時のチェックポイント

  • 自宅を本店として定める場合:この場合、もしあなたの自宅が賃貸だとしたら注意が必要です。なぜなら賃貸契約のさいに、「法人不可」となっているケースが多いからです。株式会社設立の手続きに移る前に、家主にたずねたり、契約書を読み直したりして確認しましょう。
  • 新規にオフィスを借りる場合:この場合でも、「新会社設立の目的で借りたい」と承諾を取ったうえで契約しましょう。そうしなければ、後になって目的外使用とされて賃貸契約を解除される可能性がでてしまいます。

4 資本金の額を決める

4.1 どれだけ必要?資本金の適切な額とは

現在の会社法では資本金は1円でもよいことになっています。しかし1円起業は現実的ではありません。

なぜなら、会社を始めるには、 パソコンや机などの事務用品や、オフィスなどの不動産契約、会社の実印などさまざまな用意が必要です。会社設立時の資本金は、最低でも会社運営に必要なヒトやモノを全てそろえた上で、半年間は運営できる余裕があるという額を集めておくことをおすすめします。

業種にもよりますが、一般的には300万~1,000万円ほどになるでしょう。

4.2 資本金を決めるときの注意事項2つ

また、資本金を決めるときに知っておきたい注意事項が2つありますのでご説明します。

資本金を決める時の注意事項

  • 資本金が1,000万円を超えると初年度から消費税が課税される:通常、設立初年度の会社は消費税が免除されます。しかし、資本金1,000万円を超えると、この特例を受けることができなくなります。
  • 創業融資は自己資本の2倍までしか借りられない:資金調達の方法として、政府金融機関から創業融資を利用するという方法があります。そして、この創業融資は、資本金の2倍までしか借りることができません。

この2点にも気をつけた上で、適正な資本金額を設定しましょう。

5 資本金(株主/出資者)を集める

5.1 創業時の資本金を誰が出すかによって会社の設立方法が違う?

株式会社設立時の一般的な資本金額である300万~1,000万円を集める方法はさまざまです。そして資本金をどのように集めるかによって、その後の設立の流れに以下のような違いがでてきます。

  • 発起設立:一般的な会社設立方法(大部分はこちらになります。)
  • 募集設立:外資系企業の設立など特殊な場合に用いられる設立方法

詳しくご説明します。

5.2 発起設立(一般的な株式会社と全ての合同会社がこれに当たります。)

会社勤めやアルバイトをして貯めたお金を、創業メンバー全員で出し合って、資本金にあてるようなケースです。株式会社の場合、株式会社設立時に発行する株式の全部を、出資比率に応じて、各創業メンバーが持つことになります。合同会社の場合は、各創業メンバーの損益配分は出資比率によらず、メンバー間で自由に決定することができます。

株式を発起人で持ち合うことになるので、経営の意思決定が迅速になり、より業務に集中しやすくなるので、9割の株式会社は発起設立です。そして、合同会社は、「お金を出資する人=経営に携わる人」なので、必然的に発起設立のみとなります。

5.3 募集設立(特殊な場合の株式会社設立)

発起設立の場合とは違い、身内以外の投資家などに声をかけて出資をしてもらうという方法です。このように他人からの出資を前提に会社を設立する場合、発起人と出資者という立場の違う人間が関わることになります。この場合、会社設立時に発行する株の一部を発起人が持ち、残りの株式を出資者が持つという形になります。

募集設立の場合、申請の際に、別途で書類が必要になったりと手続きが複雑になってしまいます。従って、外資系企業の設立など特殊なケースの場合のみ募集設立の形式を取ります。

6 機関設計と役員を決める

6.1 機関設計とは?

「機関」とは会社の意思決定や業務の執行をする代表取締役や取締役、監査役、会計参与などのことです。そして、それぞれの発起人がどの役職につくのかを決めることを「機関設計」と言います。

6.2 株式会社の機関設計

株式会社の機関設計を単刀直入に言うと、考える必要があるのは、「取締役会」を置くか置かないかという部分だけです。どちらが良いのかを判断するためにそれぞれのメリットを把握しておきましょう。取締役会を置くメリットは、経営判断がスピーディーになることです。もし、取締役会を置いていなければ、あなたが設立する会社に出資者が複数いる場合、株式の新規発行など、会社に関する重要な決定をするときに、わざわざ株主総会を開く必要がでてきます。(下図参照)

取締役会設置会社と取締役会非設置会社の違い

これらの項目を決定するために、わざわざ株主に集まってもらうというのは想像以上に大変な仕事です。また、株主から、あなたの判断を否決される可能性もでてきます。

一方、取締役会を置かない場合のメリットは、自分一人が株主で取締役のような形の会社設立の場合、機関設計を迅速に終わらせることができるという点です。株式会社を設立するときに準備に時間をかけず、すぐにでも本業に取りかかりたいという方は、取締役会を置かない方が良いでしょう。

結論をお話すると、例えば、あなたの身内“だけ”から出資を募っている場合は、取締役会を設置しなくても、会社の運営上おおきな問題は出にくいでしょう。逆に、出資者の中に身内”以外”の人間がいて、あなたの経営判断に反対する可能性がある場合は、取締役会を設置しておいた方が良いでしょう。

株式会社を設立して、新たに事業を行う(投資経営ビザ等)場合は、事前に詳細を打ち合わせしながら進めて参ります。
まずはお気軽にご相談下さい。

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